2013年5月19日日曜日
JuneBrideに憧れて#6-柴崎亜子の物語
JuneBrideに憧れて
TheFourthName.柳川 真也
1章-彼
私の名前は亜子、 今日ね、親友の澪ちゃんに聞いたんだけどね。
どんな恋でも叶うおまじないがあるんだって!
そのおまじないで、気になるあの人ともラブラブになっちゃったりなんかして・・・。
でもでも、問題が一つあるの・・ そのおまじないね、相手の誕生日がわからないとできないの・・・。
でね、気になる彼 っていうのは、ほら、あのちょっととろそうな・・・ なんていうのかな、控えめ? な感じがすっごくいいの!
柳川真也君 って言うんだけど・・・
女の子と話す時とかにね、すっごくあたふたして なんかそこにキュンときちゃった感じかなぁ
まぁ、私も男の子とお話するとあがっちゃったりなんかするけど・・・
柳川君とだったら、私も幸せになれる気がするんだ♪
これは、ほんの小さな出来事からはじまる、小さな恋の物語・・。
2章-おまじない
2学期になっても、誕生日はわからないまま。
もう押し倒しちゃおうかとも思ってた時、うちのクラスに転入生がやってきた。
転入生君は、すぐに皆と仲良くなったようだ。
でも、転入生君。 杏奈と全然目合わせてない気がするのは私だけ・・・?
しかし
私は気付いちゃったんだ。
そうだ これしかない って。
私は勇気を出して 転入生君・・・ 美島君に近付いてみた・・。
「えっと・・・ 美島くん・・・?」
「ん・・・? 柴咲さん・・・ だっけ?」
「うん、柴咲さんだけども・・。」
「柳川君と仲いいよね?」
「え・・・あぁ、まぁ 悪くはないんじゃないかな。」
そりゃまぁ 転入初日で仲睦まじくはないだろうけど 悪いよりはマシだった。
「どしたの?」
「えっとね・・・ その、柳川君の誕生日を聞いてきてほしいの。」
私が少し恥ずかしがりながら話すので、彼も察してくれたのだろう、すぐに聞きにいってくれた。
彼がこっちに戻ってくる・・・。
「2月7日だってよ、誕生日・・・。」
「ぁ・・・ありがとう・・。」
──こんな簡単に・・・
「で、誕生日聞いてどうするのか教えてくれない?」
・・・まぁ、いいか 協力してくれたんだし・・・。
」
「ぇっとね・・・ 好きな人の名前と、誕生日を紙に書いて。 その下に自分の名前と誕生日を書くと、その人と両思いになれる っておまじないがあるんだ・・。」
──美島君は、意外に真剣に聞いてくれたのでびっくりした。
「そっか、柴咲さんがんばって!」
──なぜか勇気付けられた。
でも、もう必要な物は手に入ったんだ・・・。
私はその日、家に帰ってその紙を燃やした。
『──たかがおまじないだ』
一瞬脳裏にそう浮かんだが、私は信じていた。
特別な物は何もない、ただ、気持ちがあればそれはどんなおまじないだって通じるんだって・・・。
3章-幸せ
次の日、私は昨日の事なんかほとんど忘れ、学校に向かった。
教室に入り、いつも通り席に着く。
私はいつも、予鈴の10分以上前に席に着くのだが、必ずその時にクラスの半分以上が席に着いている。
──さすが進学校だなぁ・・・
このクラスで恋愛の事を気にかけてるのなんて、ほんの数人なんだろう。
休み時間は教科書とにらめっこ、放課後は塾通い、というのがここの「普通」だった。
「・・・子」
「こら、亜子! 返事しなさい!」
「ぁ、澪ちゃんおはよー。」
「おはよー、じゃないよまったく... どーしたの? 最近の亜子、なんか変だよ?」
「ぁ、んーん 大丈夫。」
「大丈夫じゃないから言ってんの、ほら、言ってみな? オネーサンに全部話しな?」
「ぁぅ・・・ 澪ちゃん・・・ 私ね・・・?」
柳川君を好きになった事、そして、あのおまじないを使った事・・・ 全部を話した...
「へぇ、柳川か・・・ 大丈夫、あんたなら・・。」
そんな時、柳川君が教室に入ってきたのが見えた。
「ほら、しっかりしなよ。」
「ぅん・・・。」
柳川君の席は、一番右端・・・ 私の席とは正反対だ・・・
けど・・・。
(──柳川君、なんでこっち来てるの・・・?)
こっちには一人だって男子はいないってのに、柳川君はゆっくりこっちに歩いて来てる。
──だめだよ柳川くん・・・、それ以上こっち来られたら私・・・。
私のすぐ隣まで来て、彼は口を開いた。
「あの・・・ 柴咲さん・・・」
「は、はぃ・・・。」
──これってもしかして・・・
でも、こんな所で・・・?
「えと・・・ お時間よろしければ、放課後に校舎裏まで来てくれませんか?」
呼び出し・・・か、
こんな大勢いるのになぁ・・・。
でも、こんな奴等だったら、わざわざ見に来るような事しないよね・・・
いや、それよりも・・・。
もしかしてこれって・・・ 全部あのおまじないの・・?
「み、澪ちゃん。」
「ん? どうした?」
「あのさ、あの噂って本当なの・・・?」
「お? やっと信じたか・・・。 あれは、私もやったんだけどね、おまじないしてから、「きっかけ」って言うのかな? なんかそういうのが毎日のように起きるようになって・・・」
──じゃあ、やっぱり 本物なんだ・・・?
ってことは、今のが「きっかけ」...
ここで勇気出せ って事か・・・。
「澪ちゃんありがと・・。 私頑張るね。」
「おう、いい知らせ待ってる。」
澪ちゃんも、勇気出して 好きな人と結ばれたんだ・・・。
──私だって・・・。
4章-告白
その日の放課後、私はすぐに校舎裏へ向かった・・。
──いた、柳川君・・・。
・・・キンチョーしてきた・・。
でも、いかないと・・・。
「柳川・・・くん・・・?」
柳川君も、私も・・・ 緊張してまともに話せない・・・。
「どう・・・したの・・? 顔、赤いよ・・?」
──何言って・・・ 人の事言えないし・・。
「ぼ、僕は・・・ 柴咲さんの事が好きです!」
ぅ・・ 面と向かって言われると・・
やっぱ、死ぬほど恥ずかしいよぉ・・・。
けど・・・
言わないと・・・ 勇気、出さないと・・。
「あの・・・」
「ぁ・・・えと・・。返事は、今度でいいので・・・・。」
「ぁ、ぅん・・。」
・・・だめだよ...
今、言わないと・・。
あぁ、柳川くん... 行っちゃだめ・・・。
「──待って!」
気付いたら、声が出てた。
もう、言うしかない・・・。
柳川君は、何も言わずに立ち止まった・・。
最後に、ほんのちょっとでいい、
勇気を出せば それは形となって現れる・・・。
「あの・・・ね? 私も・・・。」
──ほんの小さな出来事から始まる
──小さな恋の物語・・・。
─Cast─
美島 優 和泉 杏奈
柳川 真也 柴咲 亜子
店長-米沢 蓮
亜子の親友-春日 澪
SpecialThanks
見てくれた皆様
・・・あれから数年・・。
「なぁ杏奈。俺たち・・・。」
──JuneBrideに憧れて
「お、おい。 どうしたんだよ!? 杏奈・・・?」
・・・その力は、運命をも左右する・・・。
To Be Continued...
ラベル:
JuneBrideに憧れて,
小説
場所:
日本, 大阪府枚方市
登録:
コメントの投稿 (Atom)
0 件のコメント:
コメントを投稿
スパムコメント対策として、単語入力にご協力ください><