2013年5月19日日曜日
JuneBrideに憧れて#1-和泉杏奈の物語
JuneBrideに憧れて
これは、ほんの小さな出来事から始まる、小さな恋の物語。
TheFirstName.美島 優
最初にあの人と出会ったのは、中学二年生の時。
今でもはっきり覚えてる
二学期の最初に、彼は私の通ってた中学に転校してきた。
「かっこいぃ・・・。」
第一印象は、ただそれだけ。
でもね
顔がいい、とかそんなんじゃなかった。
なんだろう・・・ 他の男子には感じなかった、確かな「魅力」を感じた。
でも、それを私はそのときに、「恋」だとは感じなかった。
まだ私にはそれを考えられるような頭がなかったのかもしれない。
私と彼は、違う高校に入学して、それから会う事はなかった。
高校1年の夏
部活にも入っていなかった私は、近くの定食屋でバイトを始めた・・・。
そこで、彼と再会する。
再開 と言うと聞こえがいいが、私は彼と話した事がない、ただのクラスメイトだったし、特に用事もなかった。
それに、例え彼に自分が恋をしてる事を自分でわかっていても
私には彼に話しかける勇気はなかっただろう。
私のバイト初日、店長が私を紹介してくれた。
奥で皿洗いをしている男の人が見えたので、一応、その人にも挨拶しようと思い、そっちに行ったんだけど・・・
どこかで見た、いや、すごく鮮明に覚えてる私がいる。
でも、もう会えないと思って、忘れたいと思ってた存在。
「えと・・・もしかして、美島君?」
思わずそう聞いてしまう・・・。
彼も数日前からバイトを始めたらしく、まだ皿洗いくらいしかやらせてもらえないそうだ。
「んっと・・・、会った事・・・。 ぁ、もしかして 同じクラスだった和泉さん?」
覚えててくれたんだ・・・ ってか、一回だって話した事ないのに、ちゃんと名前まで・・・。
まさか、こんなとこで会うなんて思ってもないし...
「そっかー、和泉さん髪切ったんだね~。 だからわからなかったのかなぁ。」
「ショートも、似合ってると思うよ かわいいしね。」
自分でも 自分の顔が真っ赤になってるのがわかった・・・。
「そ、そんな・・・、かわいくなんて・・・。」
男の人に「かわいい」なんて言われたの初めてだし。。。
もしかして、これってただの夢・・・ だよね?
でも、すぐにこれが夢じゃないのがわかった
「あっ・・・。」
グラスを洗っていると、指先に激痛が走った。
血が出てる・・・ 欠けてたのに気付かなかったのは、私が悪い・・・
ってか、夢じゃないのはわかったけど・・・
これはやりすぎだよぉ・・・
・・・かっこ悪いなぁ、私・・・
こんなの見られたら私・・・。
でもそこに彼はやってくる。
「うわっ、どうしたの!? 痛そう・・・。」
やばい、めっちゃ恥ずい、耐えらんない・・・。
「あの・・・グラスで切っちゃって・・・」
グラスを見せる。
「なにこれ、欠けてんじゃん。 危ねぇなぁ・・・」
「ってか 血! どうにかしねーと!」
彼は私の・・・ 血が出てるほうの手をつかんで、血が出てる指をくわえた。
「え・・・」
また赤くなる... こんな事されたら誰だってなるよ・・・ね?
彼は少しして そのくわえていた指を離した。
「あの・・・」
「ほら、血止まるまで休んでなって。 食器俺がやっとくから・・。」
やばい、すごいドキドキしてる・・。
でも、まさかまた会えるなんて・・・
運命って、信じていいのかな・・・?
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